2023年12月17日(日)(大会第2日)11:15-12:15がコアタイム
「国内外来種ヤクシマザルの生息状況:口永良部島におけるカメラトラップ調査報告」
藤田志歩(鹿児島大学共通教育センター)、 杉浦秀樹(京都大学野生動物研究センター)、半谷吾郎(京都大学生態学研究センター)、栗原洋介(静岡大学農学部附属地域フィールド科学教育研究センター)、角田史也(京都大学大学院理学研究科)、田中美衣(京都大学大学院理学研究科)
口永良部島において、2021年夏から秋にかけてヤクシマザルが目撃され、またオス1頭が捕獲された。ヤクシマザルの生息状況を明らかにするため、カメラトラップ調査を行ったので報告する。
「研究計画: ヤクシマザルの花蜜食行動がヤブツバキの繁殖に与える影響」
角田史也、半谷吾郎(京都大学生態学研究センター)
屋久島のヤクスギ林に生息するヤクシマザルは、ヤブツバキの開花期に花を大量に破壊して中の蜜を食べる。本研究は、ヤクシマザルの花蜜食行動がヤブツバキの繁殖に及ぼす影響を明らかにすることを目的として行う研究の計画について発表する。
「ヤクシマザルの離乳期のアカンボウにおけるモクタチバナ利用時の伴食相手の変化:採食場所に着目して」
谷口晴香(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
他地域と比較し、屋久島西部海岸域はヤクシマザルの群れ密度が高い。本発表では、他群との出会いが生じやすい群れの行動圏周辺部で、ヤクシマザルのアカンボウが誰と伴食するかを、モクタチバナ食に着目し検討した。
「屋久島・西部地域に生息するヤクシカ・ヤクシマザル・タヌキの日周活動性」
平木雅(屋久島自然保護官事務所、千葉大学OB)、水川真希(屋久島自然保護官事務所)、柘植規江(屋久島自然保護官事務所、中国四国地方環境事務所)、丸之内美恵子(屋久島自然保護官事務所、福島地方環境事務所)
西部地域におけるヤクシカ・ヤクシマザル・タヌキの日周活動性を自動撮影カメラによるデータから分析を行い、季節変動や気象条件による影響を評価した。
「屋久島西部林道における緊急時を想定した連絡方法」
杉浦秀樹(京都大学野生動物研究センター)
屋久島西部地域では携帯電話が通じないとされているが、実際には、通信会社によってはかなり通じることが分かった。また携帯電話以外の通信手段に関しても整理し、緊急時の連絡方法について考察する。
「屋久島のウミガメの近年の状況」
山下和輝(鹿児島大学水産学部水産学科/屋久島うみがめ館・研究インターン)
屋久島に産卵にくるウミガメについて、近年の上陸数・産卵数、回帰個体の割合の変化についてまとめたうえで、近年の状況について推察を紹介する。