ヤクスギ

テーマセッション 1

「ヤクスギのすべて(人文科学編)」 縄文杉50周年記念

コーディネーター 古居智子

本年度は縄文杉が発見されて丁度50周年となります(1966年5月28日発見・1967年1月1日新聞発表)。この記念すべき年を迎えるにあたって、ヤクスギと島の人々の暮らしに焦点をあてたテーマセッションを企画しました。基調講演の後、登壇者によるパネルディスカッション形式を行います。会場からの質問や討論への参加も歓迎します。

セッション1-① 「ヤクスギの歴史 島の暮らし」

屋久島におけるヤクスギは島の文化、経済、民俗、生活、信仰などおよそ島人の暮らし全般に関わる絶対的存在であり続けてきた。その歴史的系譜を追いかけ、屋久杉という極めて特有な木の存在が屋久島にもたらしたものを、信仰の対象→生活資源→観光資源という時間軸と時代背景の中で捉えなおしてみる。

日時 11月26日(土)
会場 屋久島町総合センター(安房)

基調講演:鎌田道隆(奈良大学名誉教授・歴史学者 楠川在住)
「ヤクスギの歴史島の暮らし」 資料は こちら (PDF 0.3 MB)

パネラー:小原比呂志(YNAC)、 寺田仁志(鹿児島県立博物館)
コーディネーター:古居智子

講演に先立ち、屋久島の木挽き歌、トビウオ招き歌の演奏があります。

講師プロフィール: 鎌田道隆 (かまた みちたか)
1943年、屋久島楠川生まれ。屋久島高校卒業後、京都の立命館大学にて日本史学を専攻。大学院終了後、京都市史編纂所に入所、史料調査、原稿執筆、編集作業。1980年奈良大学に就職。実験歴史学を提唱して、江戸時代の旅やからくり玩具を共同研究する。2002年から奈良大学学長。2011年退職して郷里屋久島に戻る。奈良大学名誉教授。

鎌田道隆氏の基調講演
鎌田道隆氏の基調講演
寺田仁志氏
寺田仁志氏

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セッション 1-②「屋久島の森と夢の150年―小杉谷」

kosugidani_01(写真提供 佐々彰聰)

荒川登山口から縄文杉に至る道のりは、江戸時代から近代まで人が手を入れてきた歴史の上にある。そこには、小杉谷を始めとして経済資源として山を活用してきた人の営みの記録が残る場所であるとともに、大量伐採によるヤクスギの墓場ともなった場所でもある。今後の森の育成の線上で、屋久島の森と人がどう関わっていくかを問いかける。

日時 11月27日(日)
会場 屋久島町総合センター(安房)

基調講演:王 智弘(総合地球環境学研究所・環境社会学)
パネラー:佐々彰聰(小杉谷小中学校卒業生)、 若松昭男(山岳ガイド)
コーディネーター:古居智子

講師プロフィール: 王 智弘(おう ともひろ)
総合地球環境学研究所 プロジェクト研究員。専門は資源論・環境社会学。森林や水産、水といった天然資源の利用の歴史から、環境や開発の問題にアプローチしている。2013 年から大学共同利用機関法人総合地球環境学研究所に在籍。現在は研究プロジェクト「アジア環太平洋地域の人間環境安全保障」で、複雑化する水・エネルギー・食料のつながりの解明に取り組んでいる。
編著に『臨床環境学』名古屋大学出版会(2014 年)。

王 智弘氏の基調講演
王 智弘氏の基調講演
パネルディスカッション
パネルディスカッション
小杉谷中学校の看板を手にする若松氏
小杉谷中学校の看板を手にする若松氏

 

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小杉谷山荘 (写真提供 佐々彰聰)

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昭昭和42年卒業記念(写真提供 佐々彰聰)

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積雪時の小中学校(写真提供 佐々彰聰)

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婦人部(写真提供 佐々彰聰)