第11回大会一般口頭発表

2023年12月16日(土)(第1日)

*はオンラインによる発表です。

10:45-11:00
「ヤクザル調査隊での安全についての動画の作成」
半谷吾郎(特定非営利活動法人屋久島いきもの調査隊/京都大学)

2月に西部林道でニホンザルの調査中に起きた事故を受けて、毎年屋久島でニホンザルの調査を行っているわたしたちのグループ(ヤクザル調査隊)も、安全管理についての見直しを行ってきました。その一環として作成した、安全についての動画を紹介します。

11:00-11:15
「ウナギの生息環境保全の重要性」
熊井勇介(東京大学大学院農学生命科学研究科)

いくつかの種で資源量が急減しているウナギ属魚類は、これまで「生息地ジェネラリスト」と考えられていた。しかし、屋久島と種子島における大規模野外調査の結果から、河川における生息環境の多様性維持が本属魚類の保全に重要であることが示唆された。

11:15-11:30
「雌性先熟魚サンカクハゼの性様式と繁殖生態―口永良部島における野外観察から」
清和凌河(広島大学・統合生命科学研究科)
メスからオスに性転換するサンカクハゼの、性様式と繁殖行動の進化を口永良部島における野外潜水観察の結果から考察する。

11:30-11:45
「屋久島における2023年の‘染井吉野’の開花異常」
勝木俊雄、金谷整一(森林総合研究所九州支所)、手塚賢至(屋久島照葉樹林ネットワーク)、砂川聡(小さな森の工房Uruka)
 
2023年春に屋久島町安房において、生育南限地における‘染井吉野’の開花・生育状況を調査した。その結果、開花期の大幅な遅延や花芽・葉芽の発達異常、分枝の異常などが確認された。

11:45-12:00
「シドッティの生涯―315年前の屋久島への航海を語り継ぐ」
古居智子(作家・NPO法人やくしま未来工房理事長)
315年前に屋久島に上陸したイタリア人宣教師シドッティの数奇な生涯を紹介する。

2023年12月17日(日)(第2日)

10:15-10:30
「アカネズミ属によるヤマモモ果実・種子の利用」
渡邉彩音(名大院生命農)、北村俊平(石川県立大)、半谷吾郎(京大生態研)、中川弥智子(名大院生命農)
屋久島と種子島で、カメラトラップを用いて地上性動物によるヤマモモの落果の利用を調査した結果、アカネズミ属による二次散布の可能性が示唆された。

10:30-10:45
「野生ヤクシマザルと飼育ニホンザルの腸内細菌の発酵能力の比較(予報) 」
南川未来(京都大学理学研究科)、半谷吾郎(京都大学生態学研究センター) 

年間を通じてさまざまな植物を利用する野生のヤクシマザルと、愛知県犬山キャンパスの放飼場内ならびにグループケージ内の飼育ニホンザルで腸内細菌の発酵能力に違いがみられるかを検証する。今回は実験の途中経過について報告する。

10:45-11:00
「モミ年輪コアを用いた屋久島の大気中水銀濃度の起源の推定」
大浦一貴、中澤暦、永淵修、吉田茂二郎、手塚賢至、金谷整一

 屋久島の大気中水銀濃度の変遷と起源を考察するために、2012年に淀川登山口周辺のモミ群落から年輪コアを採取 (n=25) し、年輪コアに記録された水銀濃度を測定すると1935年代と2000年代以降にピークが見られた。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: P3251483-1024x768.jpg

11:00-11:15
「屋久島における死生観と終末期医療」
杉下智彦(屋久島尾之間診療所)、小橋友理江(福島県立医科大学)、岩川りつ子(屋久島尾之間診療所)、岩川孝子(元屋久島町南部地域包括支援センター)
屋久島において、死生観における態度尺度(Good death inventory)を用いたフィールドワークを行い、望まれる死のあり方とは何なのか、終末期ケアの課題について考察を行った。